裁判中に5年が経過して執行猶予の判決

刑務所から出所して(正確に言うと仮釈放の場合には、残刑期間が満了して)から、5年過ぎてないと執行猶予の判決はできません。だから、通常は、無罪を主張するのでなければ、あきらめて刑務所に行ってらっしゃいです。

その人は出所して4年ちょいで万引きをしてしまいました。実は1年前にも万引きをしました。そのときは、罰金で済ませてほしいと検事さんにお願いしたら、起訴猶予になりました。起訴猶予というのは、起訴したら有罪になる事案でも、検事さんが、諸般の事情を考慮して勘弁してくれるという制度です。今回もお願いしたのですが、起訴されてしまいました。

僕は、あきらめて刑務所に行ってらっしゃいと言ったのですが(起訴された場合に罰金の判決が出ることは殆どありません)、本人は刑務所はどうしてもいやだと言っていうことを聞きません。仕方が無いので争うことにしました。その人は、精神的に病んでいたため、今回の万引きしたときには正常な判断ができない状態だったと、しつこく裁判で争ったところ、争っている内に、出所してから5年が経過してしまいました。

正常な判断ができない状態だったという主張は認められませんでしたが、執行猶予の判決が得られました。付言しますが、最初からそんな狙いがあったわけではありません。